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大学別合格対策(医学部)

東京慈恵会医科大学

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入試の傾向

理科と数学の試験では、数理的スキル、論理的思考力、問題解決能力について評価されます。英語の筆記試験は、異文化への理解および英語でのコミュニケーション能力への評価です。
医学を志す強い意志や心構えと、バランスのとれた学力が求められています。例年試験の傾向や構成を変えないのも、確固たるポリシーに沿った人材を求めていることの表れと考え、試験に挑んでください。

各科目の入試の傾向と対策

外国語
試験時間・点数配分 試験時間:60分  満点:100点
【傾向】 2019年は長文読解問題3問、英作文1問でした。語彙、文法、語法問題が長文読解のなかに組み込まれた構成です。解読する英文の量は増える傾向にあり、早く、正確に読み解く力が試されています。
空所補充では、語句の選択だけでなく語形変化を伴うものもありますが、量が多くレベルも高めなので、できないものは飛ばして進めるくらいでなければ、時間配分を間違える可能も出てきます。
長文読解のなかには、和訳などの記述や空所補充、内容一致に加え、適文挿入も出題されます。同義語や指示語の選択式のほか、語数を指定され記述式で答えるもの、本文趣旨の英文を選択するものもあります。さらに、本文中にある語法ミスを発見させ修正させる問いも出されました。
和文英訳は日本語をそのまま英訳するというよりも、自然な英文表現ができることが求められています。
【対策】 量的に増加の傾向にある長文の読解をより早く正確に進めるために、英文の文体や内容は様々なものを演習する必要があります。慣用語句や語彙、イディオムなど、標準レベル以上のテキスト・単語集などでしっかり身に着けておくようにしましょう。
文法問題は語彙や定型表現の難易度が高く、語句整序と誤文訂正に関しては、基礎的な文法理解が重要なカギとなってきます。
読解問題と和文英訳問題への対策として、読解力および速読力を向上させることが必要です。短い時間で内容を把握するために、句や節のまとまりごとに意味を把握して読み進めていく学習をおすすめします。
長文問題での速読レベルを上げるためにも、単語力の精度を高めることは必須です。標準レベル以上の単語集は完璧に備えるような学習をしてください。
数学
試験時間・点数配分 試験時間:90分 満点:100点
【傾向】 大問数は4題で90分の試験時間、大問1は小問集合問題です。広い分野からまんべんなく出題されますので、弱点を克服することが必要です。全体を通し、上位私大入試レベルと考えてください。
微分・積分が最頻出し、図形や整数、関数と極限、数列、場合の数と確率などの分野からも出題されています。また、図形的要素が多くの問題に組み込まれているのも特徴です。自分で図を描きその状況を分析・把握する力が求められます。
これまで、計算問題の比重を重くし計算力を問う傾向が高かったのですが、直近は、論理的思考を要求する問いが増えています。証明問題での論理の構成、主張をわかりやすく簡潔にまとめ上げるなど、数学的思考をいかに文章で表現するかにも比重が置かれているということです。
【対策】 標準レベルからやや難レベルの問題が多く、解きやすいものとそうでないものがはっきりしています。得点源にできる問題は確実に得点していくようにしてください。計算力や処理能力は相応の量とレベルに対応できることが求められます。
空欄補充式問題は完答できなければ得点にならないため、できそうにないときは飛ばすことも考えましょう。ケアレスミスをなくすなど、基礎的なことをしっかり身に付けることが大切です。
教科書の内容を押さえて知識が定着するまで、基本的な理解を深めることは最重要課題です。基礎問題集から十分な演習量でしっかり取り組みましょう。徐々に難易度を上げて、定理や公式の導出がスムーズにできるようにまで仕上げてください。空間図形の方程式もきちんと使えるようにしておきましょう。
物理
試験時間・点数配分 2科目選択 試験時間:120分 満点:200点
【傾向】 理科選択2科目で試験時間は120分。物理の大問数は3題です。力学と電磁気は毎年出題されており、他分野との融合問題で出されることも多いです。
2019年度に出題された力学、電磁気、原子分野をはじめ、熱力学、波動なども含めた幅広い範囲から出題されます。
標準レベルからやや難レベルまでの問題が混在しますが、典型的な問題として出題されることはほとんどありません。独自の問題文による誘導があり、数学的思考による解答が求められる設問もあります。しかし、見慣れない設問に戸惑うことなく、落ちついてじっくり読み進め、学んできたことの多くを使って対処できると気づくことが重要です。
問題数が多く、グラフ作図や過程の記述を求められる場合もあります。分かりづらい問いも多いため、すばやく正確に意図を読み取ることや、豊富な計算能力が必要になってきます。
【対策】 教科書を第一の基礎と考え、すべての分野において公式と解法がスムーズに難なく導出できることが必要です。そのためにも、教科書傍用の問題集をじっくり時間をかけて自分のものにしてください。
発展問題は自分で導出が完璧にできるまで繰り返すことが重要です。特に、光波の干渉、状態方程式とポアソンの公式などへの対策を強化し、近似式を用いる問題に対処しましょう。
また、得られた式から考察できる条件を記述する問題もあり、答案の構成に慣れておく必要があります。模範解答を例に、物理現象を簡潔に説明する訓練を積んでください。さらに、普段の学習の際に図やグラフを自ら描く習慣をつけ描図問題への対策をとりましょう。
過去問演習については、国公立上位校などハイレベルな問題に触れることもおすすめします。
生物
試験時間・点数配分 2科目選択 試験時間:120分 満点:200点
【傾向】 大問数4題で、用語の記述や正誤判断、計算、論述などの解答形式です。難易度としては標準的ですが、問題の文章量が多いため、要旨をつかむまでに時間を要することが想定されます。
一つの大問に2つ以上のテーマが組み込まれたり、図を交えての解説であったりと、設問の意図を早く正確に掴む力が要求されているのでしょう。各分野における計算問題も頻出し量も多いので、計算処理の正確さと早さも生物学全般に渡って問われることになります。
生命現象と物質、生殖と発生、生物の環境応答の分野からはほぼ例年出題されています。主に、DNAや遺伝子、タンパク質の機能、体内の恒常性等に関連した内容を中心に、植物生理や生態、集団遺伝、進化などの多彩な切り口から出題されるのが特徴です。
【対策】 出題範囲は国公立総合大学医学部並みに広いため、まず、まんべんなく基本事項を網羅する学習をしましょう。やや難しいレベルの問題集をくり返し解き、苦手分野を作らないように、全分野が確実に習得できるところまで、知識を備えることが大切です。
意図が掴みづらい正誤判断問題や考察問題に関しては、自分なりに知識を組み合わせていく工夫も必要になります。そのためには、問題演習を積み重ねることによって、応用力と考察力を強化してください。
基本的にはグラフや模式図も含め教科書を精読し、主要な細かい部分まで押さえておきましょう。実験の考察や計算式の導出、グラフの読み取りなどは、実際に演習問題を通じてしっかり知識を定着させ、記述での解答ができるまで何度も繰り返すようにしてください。
化学
試験時間・点数配分 2科目選択 試験時間:120分 満点:200点
【傾向】 大問4題のうち、第1問は理論分野、第2問 は理論分野と無機分野の複合問題、第3問と第4問は有機分野からの出題という構成です。難易度はやや難しいレベルのものが中心となり、理論分野からは熱化学や気体、透明導電性材料、希薄溶液、平衡、酸化還元などが頻出。有機分野からは脂肪族化合物や芳香族化合物の構造決定や、タンパク質や糖類などの高分子化合物、アセトアルデヒドなどからも出題されます。
特徴的なのは、生命科学分野や生物関連、工業関連の分野に絡めた問題設定が多くなっていることです。また、化合物や反応を題材にした設問は定型のものとは異なっており、問題文自体も長文ですから、その意図を瞬時に捉えて自身の解答につなげていく、分析力も要求されるでしょう。
【対策】 高校化学の定番知識を十分に備えれば解ける問題ではありますが、基礎的な知識は抜けがないように準備する必要があります。本番は、試験問題の解説文を読み解くことで、現象に関する理解は得られるはずですから、自身の知識とつなぎ合わせていく思考力や、長文問題の趣旨を読み取る力を身に付けることが重要ポイントです。
理論化学の公式導出方法や、実験結果と過程、化学反応のメカニズムなど、化学現象の背景についても調べる、より一歩踏み込んだ学習をおすすめします。未知の反応式や物質についても応用が利くようになるはずです。
時間内により多くを解いていくためにも、難易度高めの他校の過去問にもチャレンジし、解法がいち早く導出できるようにしましょう。

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