関西医科大学
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入試の傾向
平成31年度よりセンター・一般併用入試がスタートし、入試問題がやや難化の傾向にあるようです。ただ、出題形式と傾向は毎年踏襲されたものになっているため、対策は講じやすいと言えます。難度の高い考察力を求めるというより、標準的な理解の正確さや、どれだけ応用力が身についているかを問われています。出題範囲も広範に及ぶため、教科書レベルの問題を各教科で抜けなく解けるようにすることが重要です。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:80分 満点:100点 |
【傾向】 | 文法・語法問題が大問で2~3題、長文2題の計大問4~5題の出題形式です。設問は全て英語で出題されます。短文空所補充問題や長文中の動詞語形変化、語彙類推問題が主で、単語の正確な記述が要求されます。語句の定義を選択式で答える問いもあります。 長文の総合読解問題は、和訳、内容真偽、空所補充、語句整序を記述で解答します。英文の内容をいかに早く読み解くかがカギですが、医者に必要な実践的英語力が要求されるような問題も散見されます。さらに、語形変化を正しく綴ることは必須です。英文は、医学的、自然科学的な内容が多いですが、難易度はさほど高いものではありません。 |
【対策】 | 試験時間80分のうち、長文読解2問に各30分ほどを充て、残りの20分で他の問題を終わらせましょう。読解問題への配分量が多く、記述での解答が多くを占めるので、読解力を向上させ、素早く内容を把握しなければなりません。文の句や節の意味のまとまりごとにとらえていく訓練をし、構文を把握できるようになれば単語の意味も比較的確定させやすくなるでしょう。 標準的な単語は網羅して身につけ、しっかり綴りが書けるように演習を重ねましょう。英文も単語もレベルは標準クラスです。難解な構文を演習するよりも、文章全体の中で文脈が示す意味を把握できるかが攻略のポイントになるはずです。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:90分 満点:100点 |
【傾向】 | 小問集合1題と大問3題による出題形式です。小問集合と大問2題は空所補充の出題形式で、残り大問1題は記述式です。各分野から偏りなく広範に出題され、数Ⅲの割合が高く、難易度も上昇傾向にあります。 範囲は、数学IIIを中心に出題される傾向にあり、微分積分は毎年必出しています。内容は三角関数、指数・対数関数、2次曲線(楕円・双曲線)などの分野との融合問題が主流です。 穴埋めの解答形式が多いので加算点もなく、解答ミスをなくすことが重要です。また、多少時間を割く計算問題も出題される傾向にあるので、典型問題をより速く正確に解くことが求められています。 |
【対策】 | 設問が多いため、最低限、定型解放は身に着け、典型問題は取りこぼさないという姿勢で臨みましょう。典型問題に関しては、反射的に解法が出てくるように、基礎力を向上させてください。応用問題を解くうえでは、同じ問題を繰り返し解き、きちんと解ききる習慣を身に着けましょう。 頻出分野である数学III微積分の問題への対策は十分にとっておいてください。グラフを正しく描き、面積や体積の計算ミスをなくすこと、2次曲線や極座標と極方程式の分野もおさえましょう。他分野との融合問題への対策として、図形と方程式、確率、数列、ベクトル等も視野に入れ、正確に答えを導き出すことが重要です。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | 毎年、力学・電磁気学・波動・熱力学・原子物理の5分野が網羅され出題されています。過去2年大問4題となり、うち原子2題、電磁気と波動が各1題の出題でした。すべて記述式解答で、解法の途中経過を書かせる問もあります。 高校物理を医療の現場や身近な現象に関連させた問題が頻出します。物理現象の定性的理解、つまり「対象の状態を不連続な性質の変化に注目して捉えること」を試す傾向があります。 原子では、光の粒子性、特に光分子のもつエネルギーにおける公式や単位の変換、力学での単振動を扱う問題、波動では、光の干渉や屈折の法則に関し出題されています。 |
【対策】 | 基本的な教科書内容の確認が第一段階です。現象の理解、語句の定義、公式の導入などが、スムーズに出てくるようにしたいです。広範な内容が出題されるので、できるだけ苦手分野をつくらないことが攻略の秘訣です。 記述や描画、グラフや図について出題されることも多いので、現象や公式との関係についても理解を深める準備が必要です。典型問題を数多くこなし、時間をかけずに正確に解答する習慣を身に着けよう。 自分で解くようになることが最終目標ですが、まずは参考書の解法を理解し、どの現象にどの解法が当てはまるかを瞬時に引き出すことが重要です。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | 大問5題の出題で、分野横断的な問題も出されます。空欄補充や正誤問題、計算問題のほか、図の解説を求める設問もあります。すべて記述式ですが、これまで、長く論述形式で答えを求められることはありません。ただ、医学を意識した問題が中心となっているので、幅広く深い知識が必要でしょう。 体内環境、代謝、動物の反応、細胞、遺伝子などを中心に、生物の分類や生物の集団等も出題されます。特に毎年出題のある代謝や遺伝情報の発現、生殖と発生などについては、用語や定義のチェックは欠かせません。グラフや表を用いた設問も散見しますから、動物の反応と行動など生体関連図説の用語は確認が必要です。 |
【対策】 | 標準的な問題集から始め、発展的内容の問題集を仕上げていきましょう。動物、とくに人体について知識を広く深く問われるため、解説書を用いて、細胞、器官、臓器などの働きを理解してください。解説書を1冊きちんと解ききることで考察のポイントをつかみ、自分なりの解答にたどり着けるようになれば、難問と感じる設問にも応用力で対応できます。 出題頻度が高い体内環境、代謝、遺伝子などの分野は、資料集などで知識を定着させる必要があります。計算問題も多少出題されるので、標準クラスの演習をこなしておけば、対応可能なレベルです。グラフや図の基本的なものは即、判断できるようにしましょう。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | 大問4題で、出題形式はすべて記述式です。毎年、有機では糖やアミノ酸・タンパク質、無機、平衡、酸化還元などの広範な分野で、横断的な複合問題として出題されるのが特徴です。計算問題と知識問題のバランスに注意し、時間配分を考えましょう。 毎年大問1題は頻出の理論化学は、酸化還元反応や化学反応式と量的関係について理解を深めておく必要があります。他には、中和滴定や混合気体の問題も頻出です。有機化学では、有機化合物の構造決定が頻出しており、なかでも元素分析の手順が要求されています。また、生体の化学反応として、糖やアミノ酸・タンパク質等に関連した問題が出題されています。 |
【対策】 | 標準レベルでよいから典型問題に慣れ、理論分野の計算を身に着けることが大切です。頻出の基本的な物質量計算については、標準レベルの問題集を1冊きちんと仕上げて、解法の手順、背景となる理論までを理解する必要があります。 毎年、量的比重の大きい有機分野はしっかりと学習しましょう。脂肪族や芳香族化合物、天然有機化合物などの反応、構造決定問題への演習に力を入れてください。また、理論分野との融合問題も出題される傾向にあるので、用語などで混乱しないように慣れておくことも重要です。無機分野が大問で出題されることもあるので、教科書レベルの基本知識は備えておくようにしましょう。 |