日本大学
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入試の傾向
医学・医療の分野で社会に貢献したいという明確な目的意識とそれを実現しようとする強い意志を持ち、目標に向かって意欲的に学修を進めていくことのできる学生を求めています。入学試験では、このような人材を多元的な尺度で評価し、基礎的な能力や資質に優れた人材を見出します。
学科試験(理科、数学、外国語)では、6年間の学修に必要な知識・技能、判断力、思考力を評価します。二次試験の小論文と面接では、思考力や判断力、表現力などにより主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を評価するとしています。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:75分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4題の長文形式で出題され、すべてマークシート方式です。読解問題では内容一致と同意表現が中心になっています。 空所補充問題は選択肢が酷似しており、ミスを誘発しやすい箇所です。レベル的には標準クラスですから、落ち着いて取り組めば問題ありません。慣用表現や口語表現をメインにした空所補充問題も出されます。 誤文訂正問題では、定番と言われるような問題が多いのが特徴です。また、会話文問題が質量的に拡充され、実用性の高い英語への理解が求められていることがわかります。 長文読解は医療に関連した英文が多く出題されています。医療系の内容や英文の傾向に慣れておくことはもちろん、専門用語などでつまずかないで速読ができるレベルに達していないと、時間内に解答することは難しいかもしれません。 |
【対策】 | 英語は相対的に平易化の傾向にあると言われ、設問文が日本語でマークシートによる解答となったことで、かなりの時短が見込めるようになりました。ただ、読解問題の量的な多さを考えると、長文読解力と単語力を強化する必要があります。 最初は短めの問題集から取り組んで、次第に長めの文に慣れるようにしましょう。最終的に500語程度の長文をしっかり読み解くところまで準備してください。 また、医療系の内容が文法や会話の設問となって出てきますので、医療系のトピックなどに触れておくことも大切でしょう。医療に関する単語やセンテンスに慣れておくことで、本番も落ち着いて解くことができます。 過去問のトレーニングも重要です。繰り返し解いて正答率を上げると同時に、時間内に解ききる訓練も大切です。本番を想定して、時間を測って解いてみることをおすすめします。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:75分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4~5題での出題で、マーク式と記述式での解答です。マーク式で解答する問題が多いのですが、記述式の解答が求められる設問は、比較的難易度が高めに設定されています。ただし、記述問題には本校独自の傾向が見られますので、過去問や類似した問題などでの対策を徹底することで対応は可能でしょう。 大問2題が小問集合になっており、数学すべてを網羅するかたちで幅広い分野から出題されています。基本から標準レベルまでの問題が中心になっていますので、準備をきちんとすることで確実に得点できるはずです。その分、問題量が多く、平均点が上昇傾向にあります。 後半部分で難易度の高い問題もいくつか散見されますが、数Ⅲに関しては本校の過去問のほか、国公立大の過去問を演習しておくようにしてください。 具体的には微分積分を中心に、確率や漸化式、ベクトル、数列、対数などが頻出分野といえるでしょう。 |
【対策】 | ほぼすべての分野から網羅的に出題される傾向が続く数学では、苦手分野をなくすことが重要です。まずは、教科書と参考書、傍用問題集の内容を基本から正確に理解してください。 問題の量が多く時間を必要とする小問は、きちんと時間を費やして対策しましょう。安易なミスが失点につながります。確実に得点するための準備が重要ですから、小問で演習できる問題集を用意してください。 また、計算力や処理能力の向上と強化、定番問題の解法の理解について重点的に学習を進めてください。特に極限や微分積分についての計算練習を徹底的に行い、演習を繰り返し行いましょう。 後半出題される大問形式での設問は、頻出の微分積分をはじめ、図形と式、ベクトルについての演習を徹底しましょう。記述での解答に慣れることも大切です。 過去問演習は何度か繰り返して正答率を上げるとともに、時間をかけずに解く訓練も必要です。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | 全問マークシート式ですが、小問と穴埋めが混在する解答方式です。問題文中に図解されているところも多く、詳細で見やすい図が示されます。設問の多くは基本~標準レベルの問題で構成されており、広範な分野から出題されます。 波動、原子、力学、電磁気、熱力学の分野から平均的に出題され、重点的に一部に力を入れるのではなく、総合的な理解が試されているといってよいでしょう。 波動では光の反射・屈折、熱力学では気体の状態変化と方程式、電磁気ではコンデンサーが頻出しし、原子分野の粒子性と波動性が小問で出ることもあります。 全般的に標準的な解法で対応できますが、詳細な事例を用いるなど、設問の意図を理解することに時間を要します。計算量も多く、解答の際は数値を一桁ずつマークしなければならないような問題が出るため、時間内に解答するための訓練は必須でしょう。 |
【対策】 | 基本・標準レベルの問題への対策は、教科書に載っているような典型問題で対応が可能です。図表や写真などもしっかり理解すれば、基本的な知識は備えられます。同時に、教科書傍用の問題集で確認しながら、解法がすぐに出るところまで学習を進めてください。 そのうえで入試を意識した標準レベルの問題集を用意し、少なくとも一冊は完全にマスターするようにしましょう。全分野の問題に幅広く取り組み、応用力を備えます。 特に、解法の導出に手間取りやすい単元は要注意です。単振動や万有引力とケプラーの法則、力積と運動量保存則・エネルギー保存則、ドップラー効果などや、近似計算における光波の干渉、状態方程式とポアソンの公式、熱運動とボルツマン定数などは繰り返し演習して理解を深めましょう。仕上げとして過去問演習も抜かりなく時間をかけて取り組むとよいです。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | ヒトや動物の生理学、遺伝など、医学に関連した分野がメインです。ただ、生物全分野が網羅されているので、植物学や生態学などの分野もしっかり出題されます。 大問5題ほどでの出題で、マーク式になり、標準的難度の出題傾向が続いています。基本的には教科書を反映した内容が中心ですが、知識問題が多いのが特徴。教科書の知識は当然必須ですが、生物用語などを間違えないようにしましょう。実験考察問題は平易な典型問題と難易度の高い問題とが混在していますので、定型問題は取りこぼさないようにしましょう。 遺伝・変異、代謝、反応と調節、生態系、そして生殖と発生といったほとんどの分野から平均的に出題されています。核酸とタンパク質合成、同化・異化、神経系・筋肉、ホルモンと調節、進化と系統分類、減数分裂・受精と世代交代などの単元は、直近の数年で頻出しています。 |
【対策】 | 基本的な問題が多いため、教科書をマスターすることが大切です。正確に定義を覚え、基本単語はすぐにアウトプットできるようにしましょう。基礎問題を反復練習することが、用語の定着と知識の確認に効果的です。 次に、定着した知識を考察問題に応用させていくための演習をします。標準問題で用語とその定義の曖昧な点を確認し、増加の傾向にある実験考察問題にも慣れてください。実験の過程や結果が問われる考察問題も繰り返しておきましょう。 生態系と発生、核酸、免疫などは頻出分野のうえ、図説の細かい部分が問われることも十分にありますので、実験や参考資料も参考にしながら覚えるようにするとよいでしょう。 最終段階では過去問や模擬試験を用いた演習で確認をします。実際の試験を想定した時間配分や難易度を体感しておくことはとても大切です。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目 試験時間:120分 満点:200点 |
【傾向】 | ここ数年難化傾向にあり、2019年には溶解度積に関し、電離平衡と溶解度積が混在した内容で出題されたりもしました。問題文が長く設問の意図が読み取りにくい部分もありますが、標準的な問題を中心に構成されています。ただし、考察問題等、難易度の高い問題もあり、問題間でレベルに差異があります。 理科は2科目選択で制限時間120分です。化学の場合30問前後ありますから、すべて完璧に解ききるというよりも、解ける問題をきちんと得点につなげることを考えましょう。 全問マーク式ですが、数値計算では、穴埋め式と選択式があり、細かい計算も散見します。数値計算のほかは知識問題が多く、正誤およびその組み合わせでの選択問題になっています。考察問題がやや難化傾向にあり、問題文をしっかり読みこまなければ解けない問題も出題されます。 |
【対策】 | 問題量を踏まえると、時間をかけずに解く訓練が必要です。出題範囲に偏りがなく、どの分野で難しめの問題が出るかは想定しづらいです。基礎~標準レベルでの知識と計算等を備え、簡単な問題を安易に間違えることがないように対策を講じましょう。教科書及び教科書傍用問題集で典型問題の解法を身に着けるのが効果的です。 化学の基礎的知識がきちんと定着したうえで計算問題の演習を重ねます。また、理論だけに重点を置かず、有機、無機分野における知識の定着も重要です。知識問題における正誤問題では細かい内容を問われますので、知識、数値計算問題ともに何度も同じところを繰り返し学習し、ミスがなくなるように準備してください。 根気よく抜け穴のない知識が定着したら、過去問演習などで力試しをしてみることをおすすめします。 |