東海大学
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入試の傾向
1次試験は2日間行われ、選択制。1日のみでも受験できますが、2日間とも受験すると、総得点の高い方で判定されます。実際の試験結果は、得点を偏差値化してランク付けする方式です。
理科が選択1科目で受験できるのが特徴。
理科は化学が標準的な問題ばかりなので選択されやすく、逆に生物は難易度も高く記述式なので、受験生に敬遠されがちです。しかし、獲得した点数は偏差値化されるため、得意な科目をミスなく乗り切ることの方が賢明な選択でしょう。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:70分 満点:100点 |
【傾向】 | 例年8題の出題で、マークシート方式の選択式と記述式との構成になっています。全体として標準レベルですが、記述問題に関してはやや難易度の高いものも散見します。 400~600語程度の読解問題や、文法・語彙の四択、会話文、文の整序、グラフ問題と続き、英文和訳と和文英訳が最後に出てきます。 平易な問題が多く得点源になりやすいため、一部やや難しい問題や記述式問題への解答の是非が勝負の分かれ道です。 英文読解の内容真偽問題は内容が合致するものの選択問題。空所補充問題は前後の内容から関係を読み解いていく問題です。また、グラフ読み取り問題は、センター試験に採用されている類のものです。 英文法と語法に関しては、同義語、会話文、文整序として出題されますが、いずれも典型的問題が多いのが特徴。 英文和訳問題、和文英訳問題いずれも参考書等によく出てくるような平易な言葉で出題されるものがほとんどです。 |
【対策】 | 例年、マークシート方式で、ほぼ平均的なレベルのものばかりです。よって、解答の抜けがないようにケアレスミスに注意して、正確・迅速に解答することが前提です。 単語の基礎固めや基本的な英文法を正しく定着させることから始めてください。その後、標準レベルの問題に移行するときも、難易度の高い単語を覚えるよりも、一般的に使用される平易な単語に抜けがないように準備することが肝要です。 長文問題に関しては、習得したレベルに応じた問題集で多くの英文に触れるようにしてください。英文の和訳も含めて、構文がきちんと理解できていることが前提です。構文集を用意して、自分の理解度を確認しながら、長文の読解へと進んでください。 文法的要素が絡む和文英訳問題も、文法への正確な理解と構文の定着が最終的に生きてくることになるはずです。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:70分 満点:100点 |
【傾向】 | 途中過程は書かなくてよい解答のみを空所補充していく記述方式で、大問3題の構成です。ほとんどが標準的な典型問題ですから、中位レベルと考えてよいでしょう。小問集合では基本的な問題が多いため、どんどん解き進められるように設定されています。 大問1では、複数の分野から小問集合の形式で出題されています。頻出分野の中心は、微分積分。ほか、場合の数や確率の計算、指数対数の方程式、不等式、三角関数、ベクトルなどです。 ほかの大問2問は誘導形式での問いになっていますので、誘導にうまく乗れれば、比較的容易に解答にたどり着ける仕組みになっています。 確率の計算や数列の漸化式を中心に極限(数列や確率、図形との融合問題)や曲線が囲う図形の面積や回転体の体積の積分計算なども出題されています。 |
【対策】 | 中位私立大学レベルならではの正答率の高さを考慮し、ミスを防ぐことや計算力の精度を高めることを第一に考えましょう。 難解な問題に時間を割くよりも、標準的な問題の計算が正確にできるということが重要なポイントです。計算方法の中から、効率よく答えを出せて、自分のスタイルに合ったものを見つけてください。 まずは教科書を基にした基礎学習を強固なものにしましょう。教科書傍用問題集などを使って、同じ分野の問題を何度も解き、間違ったり分からなかった箇所は、参考書などで確認します。結果、基本問題はどの分野も正確に解ききることができるようになるはずです。 頻出分野となる微分積分、確率、数列、極限などは、入試用の標準問題集を使い、抜けが出ないように演習してください。計算演習に関しても、解き方を理解するだけでなく、どの解き方を自分のものにするか、応用の効く計算力の習熟に努めましょう。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 3科目より1科目を選択 試験時間:70分 満点:100点 |
【傾向】 | 記述式と選択式の併用形式での解答ですが、やや記述式のボリュームが多い比率です。 力学、熱、波動、電磁気、原子物理の5分野から4つの分野が出題されていますが、毎年必ず出題されているのは力学です。ほぼ全範囲を網羅していると考えて間違いないでしょう。 力学に関しては、実験に基づく問題や力のモーメントを含む静力学の問題、球形容器内部での気体分子の衝突問題など、多岐に渡るうえ、やや難易度の高い問題が散見されます。 波動では波の性質や波動を表す式、光学干渉の問題が、熱の分野からは状態方程式や熱力学第一法則から出題されるなど、難易度的にも相応に高いものとなっています。 電磁気分野では、電流と磁場の関係や電磁力、2016年度には原子分野からも、放射線・水素原子モデル・核反応などでの出題がありました。 全体を通して、年々、問題の難度は上昇する傾向にあります。 |
【対策】 | 難化傾向にある問題への対応としては、問題演習をかなりの数、積み上げていくことが重要だと言えるでしょう。 ウェイトの大きい力学については、標準的な問題集をしっかり解ききることや難問系の過去問に挑戦して、難易度の高い問題に学習段階で慣れておくことをおすすめします。 熱や波動の分野についても標準上位の問題演習を推奨。新体系物理においては、難関校の過去問にふれることで、設問のバリエーションに対応する力を身に着けることができるはずです。 原子分野も出ないという保証はないので、教科書の知識はきちんと備える必要があります。 教科書傍用問題集を手始めとして、分野ごとに偏りがないように理解を深めていきましょう。他ではあまり見ることのないような設問も登場しますので、標準以上の問題にも対処できるように重要問題集や過去問などを用いて、いろいろな問題にチャレンジすることを心がけてください。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 3科目より1科目を選択 試験時間:70分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問5題で全問記述式での解答です。空欄補充やグラフの読み取り、作図、数値計算、実験考察問題と、出題形式も多彩です。 前半の知識問題の難易度は中級ですが、長い問題文からなるため、問いの意図をくみ取ることに時間を要することが予想されます。後半の考察問題は、やや難易度を上げてきているので、時間配分をよく考えないと時間切れの可能性も生じるでしょう。 大問ごとに一つのテーマによる設問ですが、多分野からの小問をまとめて出題されることもあります。 どの分野からも満遍なく出題されるのが特徴です。基本的な標準問題から一部レベルの高めの実験考察問題など、難易度の幅も広く、字数制限のある記述での解答も求められます。 空欄補充も記述しなければなりませんし、グラフなどの作図もしなければならず、この手の準備をしておかないと本番では手こずるでしょう。 |
【対策】 | 空欄補充やグラフの分析、実験考察の根拠など、記述しなければならない問題に対応するには、問題集を使って繰り返し慣れることです。特に有名実験や参考書などで頻出するグラフ・図表などは、自分で何度も記述してみることをおすすめします。 実験考察問題は、まず、一般的な問題をきちんと理解することから始めましょう。資料や参考書の内容を整理でき、知識として定着させられたら、演習問題に入ってください。記述をメインとする問題演習が対策として有効ですから、国公立系の生物を全分野にわたり本番の練習だと思ってチャレンジしてほしいところです。 もちろん、過去問でも同じようにシミュレーションできますが、よりバリエーションを増やすならば、記述で解答する問題を演習することに時間を費やしましょう。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 3科目より1科目を選択 試験時間:70分 満点:100点 |
【傾向】 | 6題前後の大問数で、全25問程度を記述式とマーク式が混在した解答形式です。典型問題から標準レベルのものがほとんどで、レベルの高い難問は出題されていません。 理論から出題されるボリュームが最も多く、電離平衡の問題をメインに全範囲を網羅する形で出題されます。次いで有機分野から、構造決定や計算問題、異性体数の問題などが出ています。 高分子化合物分野は近年出題される傾向にあります。無機分野は少ないもの、毎年数問は出題されるので、準備は必要です。 構造式や、用語・化合物の名称を問う問題など、多様な構成になっています。計算は煩雑な問題が多いのが特徴。 効数字付きの計算問題と選択式とがありますが、選択肢はそれぞれ数値が大きく異なっているので、近似計算による解答が可能です。 |
【対策】 | まずは、教科書と教科書傍用問題集を用いて基礎知識を習得しましょう。基礎から標準レベルの問題集を解ききったら、典型問題を網羅的に解くようにしてください。不得手な分野を絞り込んでおくことも重要です。特に理論では、苦手な分野がないように準備しましょう。 全範囲での演習問題を定期的に行ってください。センター試験問題集等で繰り返し解法を身に着けることができたなら、過去問演習に入りましょう。実際の試験を想定して時間配分や計算処理時間などを感覚的に捉えられると、本番で落ち着いて対処できます。 理論、有機分野ともに、難易度はさほど高くはありません。ただ、教科書に載っている細かな部分を取り上げることもあるので、細部まで入念な基本知識を備えることが必要です。 計算問題に関しては、概算による計算方法を覚えておくと便利です。基本から難問まで幅広く扱われている重要問題集などで、理論を中心とした幅広い演習をおこなってください。 |