東京女子医科大学
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入試の傾向
マーク式での選択解答方式を採用する大学が多い中、記述式での解答を約半数の割合で求めるのが特徴。自分の言葉で書いて答えるという準備ができていることが前提となります。
論述問題のなかでも、考察を求める問題の比重が大きいのも特徴です。長文の問題が多いので、読み解くまでの時間短縮は必須で、過去問等で慣れておく必要もあるでしょう。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4題の構成で読解問題が中心。うち1題は対話形式になっています。マークシート形式での出題ですが、和文英訳と自由英作文は記述形式での出題です。 文や段落の整序、空所補充がメインですが、グラフ・図表の読み取りがあったり、英文和訳と自由英作文での記述が求められたりします。英文のテーマとしては医療系が多く、ほとんどが自然科学系のトピックを引用しての出題です。 内容説明や内容真偽問題は、キーワードに沿って意味を捉えられれば比較的容易に解けるでしょう。ただ、文補充問題や図表のついた長文空所補充問題、会話形式の問題などは、独自色が強いので、同様の問題で慣れておくことをおすすめします。 自由英作文は25語ほどの短い作文が求められます。テーマも比較的わかりやすく、一般的なコラムのように事前の準備で対応できるレベルだと言えるでしょう。 |
【対策】 | 読解問題がほとんどを占め、60分以内ですべてを解くには、早く読み解く訓練が必要です。句や節などの意味のまとまりを意識して読み下す学習をしてください。スラッシュリーディングなどで日本語に訳さず内容を理解していく学習が功を奏するはずです。 長文読解で重要なパラグラフリーディングに適した参考書や自習用の教材、CD付きの問題集など、標準的なもので学習を進めましょう。医療系の長文を扱った参考書も1冊あると、慣れない用語などに触れる訓練になります。 対話形式の英文は、基本的な会話表現を問う問題です。会話にだけ出てくるような表現や言い回しについて、事前に学習しておくことが重要です。 自由英作文は、基本的な語彙をきちんと備え、文を構成するためのイディオムもすぐにアウトプットできるようにしてください。 過去問で、実際の問題の流れをつかんでおくことも必要なトレーニングです。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4題での出題で、数値計算を含めすべて記述式での解答です。典型的な入試問題がほとんどで、難易度は標準レベル以上のものです。 毎年、出題される分野は変わっており、出題される数自体が少ないこともあって、どの分野から出るか、明確な傾向はありません。 頻出分野は微分積分で、計算問題が多いのも特徴。また、場合の数と確率、整数もこれまで多く取り上げられています。これらは、レベルも高めで問題量も多く解くまでに時間を要するため、最も対策を講じる必要がある分野でしょう。 ほか、指数対数、数列、三角関数、整式・高次方程式等からも出題されていますので、網羅的な学習を心がけてください。基礎問題をこなせば理解できる内容ですし、計算でのミスがなければ、十分得点できるレベルです。 ただ、考察を必要とする上位私大レベルの問題も登場するので、十分な演習は必須でしょう。 |
【対策】 | 制限時間60分ですべてを解ききるには、入試標準レベルの問題が難なく解ける力を身に付ける必要があります。これまでは、入試用の問題集に取り上げられるような典型問題がほとんどですから、きちんと準備すれば本番で見慣れない問題に出くわすようなことはありませんでした。 まずは基本中の基本、教科書レベルの基礎内容が身についているか、教科書傍用問題集などでひととおり理解度を確認してください。ここを疎かにしないことが重要です。教科書の内容が習得できたなら、単元ごとに入試標準問題に取り掛かりましょう。 基本の知識をどのように解法につなげていくかを丁寧に学習すると、さまざまな出題パターンに対応できる力が身につきます。解説をよく読んで道程と根拠を理解できれば、解法の導出も確実に早くなります。 入試を想定した演習の際も、時間配分や取捨選択のシミュレーションを忘れずに行って、本番に備えましょう。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:120分 満点:200点(2科目選択) |
【傾向】 | 大問3題で、力学と電磁気から各1題、ほか熱力学、あるいは波動から出題するという構成が続いています。5問ほどの小問をまとめた大問が2題、ほか1題は長文の文中に穴埋めをしていく形式の問題です。穴埋め以外は記述式ですので、答案を書くことや簡潔にまとめることを意識した学習が必須でしょう。 大問1題をワンセットとして、設問全体を読み込むようにしてください。全体像を把握すれば他の設問からヒントも得られ、誘導形式の設問としてうまく活用ができるはずです。 本校の特徴である設問に添えられたただし書きにそって記述する場面からもわかるように、単に応えだけが求められているのではなく、導出の過程や根拠についても深く理解していないと答えられない問題です。 グラフや図を用いた問題も頻出していますから、多くのパターンを習熟している力が試されていると言えるでしょう。 |
【対策】 | 導出過程を書くという特徴的な解答に対応するため、教科書の内容を知識としてきちんと備えることから始めましょう。 グラフや現象を表わす図などを描くことが求められる問題もありますので、公式はもちろん、解法につながる図表なども整理しておくことが重要です。 教科書傍用の問題集などで、用語の定義、現象の論拠などを記述できるようにしておきましょう。解説や別解などもよく読んで理解を深め、自分でも同じように書けると、かなり理解が進むはずです。 その後、標準レベルの入試物理に対応した問題集を解いてみましょう。解法のパターンを身に付け、公式の導出が容易にできるまで理解を深めてください。 過去問での演習においても、公式の導出、論証など、答えにたどり着くまでの過程に重点を置いて、問題に慣れるという視点で取り組んでください。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:120分 満点:200点(2科目選択) |
【傾向】 | 大問4~5題構成が続いていますが、実験考察のボリュームがやや減り、基礎的な知識を問う問題が増加する傾向にあります。ただし、もともと、考察力や読解力を求める問題が多く、計算問題も多いので、相応に時間がかかることが想定されます。時間配分に気を付けないとすべて解ききることは難しいでしょう。 出題の形式は、正誤問題や理由を記述する問題、グラフの読み取り・描図問題、計算問題など、さまざまなパターンが用意されています。 出題分野での偏りはほとんどないので、すべての分野で知識を正しく理解できているかが問われます。実験系の考察問題がメインで、用語などは教科書中心の定型ものが中心。ただ、問題そのものは典型をそのまま出題することはなく、見慣れない体裁の問題になります。設問の意図を素早く理解する読解力が問われます。 |
【対策】 | まずは、基本的な生物現象と用語の定義を正しく理解しましょう。分野をまたいだ問題も頻出していますので、グラフや模式図を書き出す学習も同時に行い、グラフの読み取り、描図等への対応を万全にしてください。 基礎的な問題集で、自身の弱点や抜けがどこにあるかを確認しながら繰り返し学習して、知識を定着させてください。実験・考察問題については、読み取りが比較的難しい本校の問題に対応するため、標準的な問題を中心に重要問題集なども使って、設問の意図の理解するパターンをつかみましょう。考察をメインにした問題集では、解説等が丁寧に添えられていることが多いので、単に解くというよりは解法をどこから導き出すのかというヒントをつかむことが重要です。 計算問題は記述で求められることが多いので、導出過程も自分で何度も書いて覚えることが大切です。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:120分 満点:200点(2科目選択) |
【傾向】 | 大問4~5題の出題で、マーク式と記述式での解答が各同程度求められます。知識問題が中心ですが、計算問題も多く、グラフに関連した問題や構造式や反応式を記述する問題も出題されます。 計算問題は、マーク方式は選択式なので概算で解答可能ですが、記述式は有効数字が求められます。知識問題では、選択すべき数が示されない問いがいくつか出されるので、手間取らないような注意が必要でしょう。 難易度としては標準レベルで、典型問題がほとんどです。 理論分野では、特に計算方法の正確さがものいうので、単に公式を覚えるだけでなく、その意味が理解できていることが重要です。 有機・無機分野からは例年、構造決定問題が出題されています。反応と構造の関係はすべて覚えて演習問題に取り組みましょう。 天然・合成高分子化合物も出題されていますので、手を抜かない準備が必要です。 |
【対策】 | 典型問題に慣れるためにまず、教科書や教科書傍用問題集で基礎的な知識を備えましょう。難しい問題に手を広げるよりも、ここでの基礎固めにしっかり時間をかけてください。全体を網羅するとともに、知識があいまいな分野は基礎となる部分で解決しておきましょう。 その後の演習問題でも、総合的な問題集を用いて、2クールは解ききりたいところです。演習の結果によっては、もう一度教科書に戻るという学習も視野に入れてください。 計算問題や化学変化を表すグラフの選択問題等に対応するため、重要問題集などで定型のものを繰り返し演習しておくことが必要です。 化学反応式では平衡状態を中心とした係数や分子量に、熱化学方程式では物質の状態、高分子での計算問題等に演習の漏れがないかを確認しましょう。 |